カリフォルニア旅行記 2014/9/4-9/15

カリフォルニアで感じたこと。
前回ここに来た時はPapelookを立ち上げて法人化する前の段階で、今はそれから3年ほど経っています。今ここに来て感じられたことをまとめます。

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今回は3年前にお会いした方にもう一度会ったり、紹介して頂き様々なエンジニア、マネージャー、起業家に出会いました。

日本語で発信するのはアラビア語で発信するより価値がない

まず、1つ感じたことが当たり前のように日本語でブログなどを書いてきましたが、日本語だけで書くことのもったいなさです。
自分のサイトを英語で発信すれば見てくれる人が急激に増えます。母国語でないにしろ英語を学んでいる人は多く、コンピューターを使っている限り英語はもっとも見慣れた言語で抵抗も少ない言語だと思います。
面白いものを作って発表されてたとして、それがアラビア語で書いてあったらどうでしょうか。Screen Shot 2014-09-14 at 11.31.17
出典: 慶應義塾

読めないし、そもそも検索することが出来ません。なんて打てばこのページをもう一度Googleで開くことが出来るでしょうか。
日本語で書くというのは同じことです。しかも、日本語は1億人程度で日本国だけですが、アラビア語は2億人以上使っていて2カ国以上が使っている言語です。まだアラビア語で書くほうが読める人が多い。
英語で書けば5億人程度は読めます。もっと多いかもしれない。
自分の意見を述べたり、作品を発表する上で英語で書けばより多くの人に見てもらえる可能性が増えます。より面白い意見をもらったり、同じ考えの人に出会えるかも。なんとなく、日本語で書かないと「え、読めないじゃん」って思いますが、日本語で書けば「I can’t read it」となります。
この問題はより深くて、僕は日本のことしか考えていなかったって感じました。自分のやっていることへチームメンバーを加えるのも投資家に出会うのも話題になるのも全て日本でそうなることを考えていたんだと思います。
それだと非常に狭い。特に作品の発表や自己紹介を日本語だけで書くのは本当にもったいない、何故そんなことをしていたのだろうかと深く反省しました。

カリフォルニアは田舎で遅れている

例えば、駅で切符を買うときにVISAカードが使える販売機と使えない販売機があります。また、ボタンを連打しないと切符が買えません。(常に20ドルから始まります。1.85ドルの切符を買うのに20->19->18->…..2->1.95->1.90->1.95と-1と-0.05ボタンを押しまくります)。あと、札のお釣りは帰ってきません。全部コイン。
そして、人間を信頼したシステムで動いています。無人駅が多く、車掌が電車内で見て回りますが来ないことが多い。買ったのに一度も出さないのが普通でした。かなり信頼の上に成り立っています。
2つとも電車の話ですが、ドアや建物の中の雰囲気を考えても全く適当で日本の田舎町と同じです。日本も大企業は田舎町にあることが多いですが、とはいえここはひどく、この街からiPhoneのような美しいデバイスが生まれているのかと思うと不思議でなりませんでした。

見ている視野の広さ(遠さ)

日本でものを作っている人は「アメリカだとこういうのがあって」と出してくる人が多いように感じます。なんという出遅れ。また、視野がすごく狭く、1年後に流行するかな〜。ぐらいの範囲でものを考えている人が多いかもしれない。極端な話、人類の未来について考えている人がいる。しかも考えるだけでなく行動している。
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要は、こちらに来て思ったのは半端ない視野の広さです。それって5年後か10年後ぐらいですね、と思うようなことを考えて今から行動している人が居ます。
また、そういった先の話をして理解してくれる人が日本にはあまりいなかったのですが、こっちだと質問が飛んできます。日本だと「それいいんじゃない?(俺には関係ないけど)」な人が多かったんですが、こっちにきたら全員が同じチームに所属しているかのようにあれこれ話してくれる人が多い。
ものを作る人にとってこれ以上良い環境はないと感じました。少なくとも小銭稼ぎに興味ない生粋のエンジニアにとってはね。10623574_10152269443256246_9171003080833448778_o( Thank you Iguchi ) 

カリフォルニアにおけるソフトウェアエンジニアリングの待遇の良さ

こちらでソフトウェアエンジニアの平均年収は900万ほどだそうです。もうちょっとあるんじゃないかと思いますが、こんなもんだろうってのがそのぐらいの金額みたいです。
日本のソフトウェアエンジニアでこれだけもらってる人はどれほどいるんでしょうか。
そもそもこの辺の家賃が高くて、ワンルームの最安が月15万ほどだとか。それも市内じゃなくてもです。普通のそれなりの部屋に住む場合は月25万ほどは要るようです。
やや異常ですけどね。家の数が少ないだけかもしれませんが。この値段のエリアが広範囲に広がっています。
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これに関して1つ問題だと思ったのはなんとなく「日本はトップレベルの国で、他に比べて給料も良い」と思い込んでいたことです。高いと言っても渋谷や六本木と同じぐらいかなと思っていたらそれよりも高かった。しかも広範囲で。
給料にしろ待遇にしろ街全体の景気にしろ、アメリカから見た日本はまるで日本から見た東南アジアのように思えました。

余談ですが、こっちのエンジニアに「(日本のソフト会社についてどう思う?)」って聞いたら「(ごめん、日本のソフト会社知らないから特に思うことはないよ)」って言われたのは悲しかったかな。

全体を通して

最も強く感じたのは、ここから世界中に広げることが出来るような雰囲気です。英語もそう、ハードやソフトの企業が多いのもそう、景気がいいのもありますし、日本で目にするソフト・ハードのニュースの多くがここで起きていることもそうです。そしてなによりここにいる人たちの属性です。それをここに来てここの人たちと話すことでより「出来そうな気がする」と感じました。
東京に出てきた田舎者の気分です。
一言でまとめるとそれが適切な気がします。